今回は、MT4から乗り換える方が急増のチャートアプリ、「TradingView(トレーディングビュー)」について簡単に紹介したいと思います。
- クラウド上でのチャートレイアウト同期
- AB=CDやハーモニックの簡単描画
- 価格帯別の出来高分析 (買い・売り別にも表示可能)
- トレードアイデアの共有や無料の自動売買機能
- サクサクした動作 (安価なPCでok)
- etc.
MT4では出来なかったことがTradingViewを使えば簡単に出来てしまう!ということもあり、本ブログでチャート分析を行う際には欠かせないツールとなっております。
Contents
TradingViewって何?
TradingViewは、クラウドベースの新世代チャートで、Webブラウザ上で動作するFX・株式・先物チャートアプリです。ビットコインも対応しています。
後発なだけあって、機能面でもMT4では手の届かなった、「かゆいところ」にバッチリ手が届いてしまうので、使わない手はありません。
TradingViewで描画したチャート画面の一例になります。中央のハーモニックパターンの図や比率を自動で描画してくれるだけでも、フィボナッチトレーダーにはありがたいことこの上なし!
TradingViewってMT4と何が違うの?
現在主流のMT4と、TradingViewの主要な機能を比較してみます。
TradingView | MT4 | |
時差 | ○ 時差なし! | × ブローカーによってバラバラ |
PC~スマホ同期 | ○ | × |
PC版チャートレイアウト数 |
△ (無料版は最大5枚、有料版は制限なし) |
○ (無制限) |
スマホ版チャートレイアウト数 | △ (同上) | × (1レイアウト) |
フィボナッチ系の描画機能 | ○ | △ |
AB=CDパターン描画機能 | ○ | △ |
ハーモニックパターン描画機能 | ○ | △ |
株・先物対応 | ○ | △ ブローカー次第(ほぼ未対応) |
基本インジケータ | ○ | ○ |
カスタムインジケータ | △ | ◎ |
日本語コミュニティ | ○ | △ |
価格帯別出来高 | ○ | × |
利用料金 |
|
原則的に無料 |
時差について
MT4だとブローカーごとに異なる時差で悩まされた方も多いのではないでしょうか。一部の日本国内ブローカーだと日足が週に6本生成されたりと、致命的な欠陥もありましたが、TradingViewはクラウド側で自動調整してくれている様なので、時差については完全に日本時間に対応しています。
PCやスマホなど複数端末でのチャート情報同期
TradingViewはブラウザベースのアプリです。スマホだろうがPCからだろうが、ログインすれば自分で設定したチャートがすぐ出てきます。実は非常に画期的なのです!
2008年ぐらいまでは問題にもなりませんでしたが、今やMT4では、PCでスタマイズしたチャートをスマホやタブレット端末で気軽に見ようにもそれが出来ません。クラウド上での端末間連携に対応していないことが主な理由です。
PC~PC間であれば、チャート設定ファイルをコピーしたりインジケータをコピーしたりと煩雑な作業が発生します。スマホやタブレット (iOSやAndroid) に至っては標準インジケータのみのサポートで、外部端末で生成したチャートレイアウト設定ファイルやインジケータのインポートが出来ません。つまりPCでカスタマイズしたチャートを見るには、お名前.comなどで仮想デスクトップサービスに加入し、クラウドデスクトップで動作するMT4を個別に設定してやる必要があるわけです。スマホ全盛のこのご時世においてはかなり不便なポイントでした。
チャートレイアウト数の制限
ここはインストール型アプリのPC版MT4に軍配が上がります。TradingViewでは無料版だと最大5枚のチャートレイアウトしか保存できません。有料版(毎月9.95$~) に入ることでチャートレイアウト数は無制限になります。
しかし、スマホ・タブレット版のMT4はチャートレイアウトが原則的に1枚のみ。サラリーマントレーダーに優しくないんですよ…。
フィボ・ハーモニック描画機能
フィボナッチ系
フィボナッチリトレースメントやエキスパンションの設定画面で、フィボナッチレベルごとの対応価格表示や、38.2%、61.8%などのレベル表示の位置(左・右・中央)の設定がワンクリックで行えます。昔書いた記事を見てみると、MT4はこの設定も面倒くさい…。
下図の緑色の線で書かれたAB=CDパターンも数回のクリックで描画可能。AB:CDなんかの比率も自動で表示されます。
ハーモニック系
ハーモニックパターンも一発で描けます。もちろん比率は自動表示。
株式・先物・ビットコインへの対応
日経225はもちろん、S&P500やダウなどの様々な株式指数にも対応。もちろん個別株やビットコインにも対応しています。FXトレーダー以外の方にもおススメな理由がこれですね。
インジケータについて
基本インジケータはMT4と同レベルだと思います。
2017年3月現在では、カスタムインジケータはPC版MT4の方が圧倒的に蓄積が多いです。長きにわたりデファクトスタンダードとして君臨してきた強みと言えるでしょう。いわゆる情報商材的なものや、有料販売されているインジケータもMT4が主流です。
しかし、後述するコミュニティ機能によってこの問題も少しずつ解消されていくと思われます。
コミュニティ機能
多数のユーザが、自作のインジケータや自動売買スクリプトを公開しています。TradingViewの普及が進むにつれ、MT4の様な一大勢力となるのかも知れません。
様々な方たちが日本語でトレードの見通しやアイデアを共有してくれています。よく見るとハーモニックパターンで有名なあの人もいたりしますね。
チャットで質疑応答もできたり。
価格帯別出来高表示機能
TradingView有料プランのみの機能ですが、これを使うために加入されている方も多いのではないでしょうか。
この価格帯別出来高は、売りと買いのボリュームを色分け表示してくれているのが肝になります。例えば、チャート下部の138.00~138.50あたりはほとんど緑 (買い) 一色に表示されており、つまりは買いの勢いがとても強かった箇所であると推測されます。
こうしたポイントを見つけて、今からショートするとしてもゾーンに来たら手仕舞いする、と言った利確の判断に使えます。また、このゾーンを下に抜けたら売り、という方針を立てるのにも利用できますね。
利用料金
TradingViewの利用料金は、無料もしくは毎月9.95~14.95ドルのProプラン、毎月19.95~29.95ドルのPro+プラン、毎月39.95~59.95ドルPremiumプランの4つがあります。いずれも年間払い、二年間払いで割引が適用されます。
最初は無料版でアカウントを作成し、気に入ったら初めはProプランに入ると良いでしょう。年間払いにするのは有料プランを継続して使う、と決めてからで良いかと思います。
- Proプラン … 広告除去、出来高プロファイル(価格帯別)
- Pro+プラン … カギ足、錬行足、ポイント&フィギュア
- Premiumプラン … 優先Eメールサポート、電話サポート
今回はTradingViewの概要をざっくり紹介しました。次回から個々の機能にフォーカスして便利な使い方について書いていきたいと思います。
それでは、"May the force be with us all."