プライスアクショントレードとテクニカル分析を軸にして、直近の為替相場の値動き予想、FXトレードの備忘録という形で綴るサラリーマン投資家ブログです。

FX裁量トレードで行こう! ~日本橋FX戦記~

4. バットパターン

前回の更新からかなり時間が経ちましたが、今回はハーモニックパターンの古典的パターンのもう一つのパターン、バットパターンを紹介します。出現頻度はガートレイより高く、勝率も高めなのでこれも好きなパターンです。

バットパターンとは

バットパターンの成立条件

以下、バットパターンの成立条件を記載します。
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比率の数え方はガートレイパターンと同様です。

例)  B点であれば、Aから数えてXAの長さの0.382倍以上、という数え方をします。Aから数えて、0.382XA以上が0.618倍未満が成立条件となります。

フィボナッチ比率ぴったりのABはほぼ存在しません。0.50の次のフィボナッチ比率、0.618に達するとガートレイの成立条件を満たしてしまうため、0.50以上0.618未満、とします。

上昇パターンを例にとると、XからAへ上昇し、(Alternate含む)AB=CDパターンを作る二段下げで押し目を作り、そこから上昇というパターンになります。

ディナポリ手法との比較

利点

ディナポリだと0.618XAでエントリーしてストップをX点の下に置いている様なので、ディナポリと比べるとより安全なポイントでエントリー可能な事が大きな利点になります。また、0.886XA前後がエントリーポイントになり、1.00XAを超えて下降してきた場合がパターン失敗になることから、ディナポリ手法やガートレイパターンと比較しても損切り幅が狭くなるという利点もあります。

欠点
  • パターン認識、安全なポイント(PRZ)を探るための工程が複雑である事
  • ガートレイとの判別がしづらいケースもある事
  • 0.886まで待つため、0.618/0.786で反発する場合のエントリーチャンスを逃す可能性がある事

「完全な」ガートレイパターン

カーニーさんの著書で紹介されていた”Perfect Bat pattern Requirements”です。

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ガートレイほどではないですが、成立条件が厳しめです。

AB、BCがそれぞれ半値押しのパターンだと、高値・安値を更新せずに反対方向に一気に動き出すようなイメージになります。チャートをずっと見ているとしばしば遭遇するパターンであると思います。Dの地点でオシレータのダイバージェンスが出ていると更に背中を押してもらえると思います。

バットパターン事例

割と最近の事例ですが、ユーロ円4時間足を例に説明します。

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バットパターンの基本通り、0.886XAを起点として、フィボナッチ比率に基づいたAlternate AB=CD成立のポイント、BCプロジェクションのポイントで0.886XAに一番近いところを算出します。

PRZについて

こちらもガートレイで書いた内容とほぼ変わりません。

ハーモニックパターンは逆張り手法なので、確度を上げるためにもPRZが過去のもみ合いゾーンと重なるか、過去の高値安値とかぶっていないかをチェックするべきです。

また、長時間足とハーモニックパターンを使う足の方向性が一致している方が精度が高まります。方向が逆である場合は「押し戻りを付けに行く」程度の認識で良いと思います。

フィボナッチポイントの計算・描画ツール

”Trading View"おススメです。

※ 相変わらずiPhoneでの操作性は改善されそうにないです。細かい描画操作はマウスなどの精密操作可能な入力デバイスがあった方がいいですね。

エントリーと損切り・利食い

バットパターンのエントリー、損切り、利食いポイントについて。

エントリー

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先ほどのチャートの続きです。

基本的にはパターン完成後のエントリーとなります。ただし毎回PRZを2回以上ヒットしてくれるわけでもないので、チャートの形を見つつ、プライスアクション的にエントリーして良さそうなら見切り発車でエントリーしても良いのかも知れません(当方もたびたびやってます)。

PRZで機械的に指値エントリーしても良いですが、リスクは増大します。

PRZから反転するであろう方向が長い足の方向と一致する事、PRZが過去のサポレジや価格のもみ合いが起きていたゾーンと一致する事を確認した後のエントリーが望ましいです。

また、パターン進行中に別のパターンが発生することもあります。

今回のケースでは、下降バットパターン進行中に上昇の5-0パターンが現れる可能性が出てきました。そのため、ショートの利食いを急いで深追いしませんでした。

損切り

一応、教科書的にはX点を抜けて逆行した時点で損切りを勧めています。バットパターンの場合は、0.886XAと元々深い場所の近くでエントリーし、X (1.0)を抜けた後の損切りになります。つまり高値・安値更新が損切りの条件となります。

また、PRZをヒゲで一時的に抜いてから反転する事はしばしば起こるので、PRZ抜けてすぐ損切りだと利を逃す可能性もあります。枚数少な目で1.0を抜けてから損切りしても痛くない様にポジションを取るのが良いかと思います。

また、Xを抜けて損切り → Xまでのプルバック → 逆方向へのエントリー、と頭を切替えて損を取り戻し新しいトレンドに乗って行けるとこれはこれで良いトレードにつながると思います。

利食い

ガートレイと同様に分割利食いが良さそうです。

AD (チャートの天底であるA点~PRZで反転したD点) を結んだスイングから、38.2%順行したポイント前後を第一目標、61.8%順行したポイント前後を第二目標とします。

その前に、損切り幅と同じ値幅分順行した場合、一部利食いというケースもあります。また、このポイントを、第二目標を目指す場合のトレーリングストップに使用するパターンもあります。

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主に以下の内容についての講義です。

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  • PRZの計算の仕方
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本講座の内容をきちんと理解しておけば、一皮むけたトレーダーへのステップが見えてくるでしょう。

フィボナッチ比率を利用した逆張り手法、つまりハーモニックパターンの事ですが、和書としてハーモニックパターンを詳しく解説してくれている書籍は恐らくこれ以上のものは今現在存在していないでしょう。それぐらいある意味貴重な書籍ですが、やや読み辛いところもあります。また、情報がやや古くクラシックパターンの一部(ガートレイ222なんて言い方しているところからもお察し)と3段上げ下げ(スリードライブ)の解説のみです。

まずどんなものか見てみたい方にはこちらもおススメです。

Turning Patterns into Profits with Harmonic Trading (Collection)

ハーモニックパターンによるトレーディングを現代に広めた開祖である、スコット・M・カーニー大先生の執筆された書籍です。今現在世に出回っているハーモニックパターン関連のトレード教材は多かれ少なかれこの二冊の本による影響を受けていると思われます。各パターンが成立するための条件と、「理想的な」パターンの比率、その使い方や注意点について書かれた濃い書籍です。

洋書なので抵抗のある方もいるとは思いますが、源流を理解するという意味では読んで損のない二冊です。電子書籍に抵抗のない方は、セット価格で割引が入る上のリンクのKindle版2冊セットがおススメです。

  

別枠で紹介している「ココスタ」の佐々木氏の教材はこのカーニー本にもかなり影響を受けていると思いますが、独自の研究を重ねて精度を高めたものになっています。また、英文を延々と読むという多くの日本人にとっての苦行をスキップ出来るという意味ではお金を払う価値はあるでしょう。

フィボナッチ比率を使った基本的なトレーディング手法の金字塔と言えば、結局この本になってしまうでしょう。押し戻りを捉えて的確に売買する基本的な方法をしっかりと解説してくれています。やや高価なのが珠にキズではありますが、フィボナッチトレーディングの基本を学びたい方にはまずこれでしょうか。紙の本だと大型本になってしまうため、電子書籍で読むと良いでしょう。書店で実物を見るとその大きさに引きます…。

ディナポリ本の要点を薄く解説してくれている書籍です。この本の利点はただ一つ。安いこと!あとは本人も自信なさげなインジケータ多用したテクニカルの解説なのでそこはお好み。
安い割にはそこそこきちんとした解説が書いてあるので、フィボナッチリトレースメントやエクステンションの理解が出来ている方はこっちでもいいっちゃいいんかな…。

筆者はメルマガとFX講師で生計を立てていると思われるあの方です。メルマガでぼろ儲け出来ればそりゃトレードしなくなるよねって感じ。

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